2014年1月6日月曜日

藁の刈り取り時期


 稲の刈り取り時期の早晩は藁の品質と密接な関係がある。早きに過れば、藁の組織が充実していないし、晩きに過れば、硬化して質が、甚だ脆くなり折れやすくて節離れすることが多く、又そのつやを損ずる。
 しかし、相当早く刈り取れば、藁は緑色を帯びたままで乾燥し、所謂、青干しになって、細工に最も歓迎される。
 刈取りは早くても晩過ぎてはならぬ。
 稲の熟度に四期ある。
①乳熟期は、稲の成熟の初期で、刈り取られぬ。
②黄熟期になれば、茎葉等は大部分緑素を失い、黄色に変わり、わずかに茎の上部の二三葉節だけになお緑素が残っている。この期に刈り取れば、良期の藁が得られる。
 細工用としての簡便な見分け方は、稲の穂の付いた部分の下部一寸が、黄変した場合が最も適している。
③完熟期においては、茎葉全部が、黄色に変ずる。
④枯熟期に至れば、色あせ、且つ脆くて折れやすくなる。しかして、使用に最も不便である。
 要するに細工用には黄熟期に刈り取るのが最もよい。

2013年12月26日木曜日

猫ちぐらを作ってみた。

 まず、準備として
藁の袴とみご(先端)部分をカットします。
ある程度、太い藁を選別します。
 編み方は資料を参考にしました。
最初に輪っかを作ったときに大きな輪っかになってしまい、真ん中が○になってしまった。
ほんとは平にするつもりが、底の部分なのにお椀型になってしまった。
10巻きぐらいで直径40〜45cmになったので、胴巻きに入ります。10巻き目は編む点を通常より内側につけておくべきでした。今後のため、書いておきます。1時間編むのに必要な藁を1時間藁の選別等に時間がかかっているような状態でなかなか進みません。









 だんだんとコツをつかんできて、節の位置をしっかりを合わせて、見えるところに節が出ないようにすると節で藁が割れて汚くなるのを防げる。指し藁は2本ずずつ入れていたが、場合によっては3本や4本でもいいということがわかった。しかし、見た目を均等にするには、3本なら3本で統一して、間隔は何センチにするか、直径は何センチなのか、間隔の数は何個なのかをあらかじめ計算しておかないと売り物のようなものにはならない気がする。

入り口になるところの折り曲げる部分が、藁をどう巻き付けるときれいないのかが、わからない。



そろそろ天井部分にとりかかる。
藁が多すぎて、なかなかうまく狭めていけない。


最後の終わりの部分はかなり強引に作ったので、見た目がかなり歪んでしまった。

クリスマスなので飾りをつけてみました。


 横から見るとアラレちゃんに出てくる大魔王みたいな感じ。

上から見るとやっぱり天井部分がいびつだ。


















 

 
ミーちゃんはしっかりと中に入ってくれました。

完成まで一ヶ月弱。

田植えから収穫、脱穀、藁打ち、編みこみとよくできました。
来年は今回の失敗を踏まえて、もっといいものを作りたいと思います。

実物はこちらにあります。

2013年2月12日火曜日

行者わらじの作り方




必要な道具はまず、わらじを編む木製の台、わらじのはさみ、わらじの最後の行程できれいにするための絞め藁、ハンマー、ろうの布、のり、型紙、木製の定規、くじらかぎ

藁縄360cm、和紙の貼った藁縄4本





 藁縄の両端の先を尖らせます。そのために両端を一度、ほどいて少しはさみでカットしてもう一度、より直します。












よったものをのりで固めて、横にはみ出ている藁はハサミでカットします。
藁縄を写真のように台に引っ掛けて、両端が上にくるようにします。真ん中の2本にろう布(布にろうを染み込ませたもの)で何度もこすり、すべりをよくします。そのときにとげのような出っ張りがあれば、ハサミでカットしておいて藁縄がまっすぐきれいになるように調整します。

3cmほど余らせて左から3回まわして、真ん中の2本の藁を上に重ねます。



内側2本の上を横切るように藁を編みます。これを3回繰り返します。このとき、常に藁が半分重なるように編みます。このときの注意点はつま先の部分は幅広にしたいので外側の藁縄と絡めるときは下に向かって編むようにきつく編みます。
3回編むと写真のようになります。それから、写真では見えていないのですが、わらじの裏の最初に余らせた3cmの部分を写真の薬指の方向に折り曲げます。
内側の2本の間にも藁を入れて編みます。編み方の基本動作は右手3本の指を人差し指、中指、薬指を4本の縄の間に入れます。左の親指で編む藁を押さえて、きつくしっかり握ります。藁を右手の人差し指のあるところに入れて、右手の人差し指を中指のあるところに入れて、藁を人差し指と中指でつかんで引き抜きます。右手の指もすべて引き抜きます。それから藁をねじらないでまっすぐになっているか確認して、左手の親指を外して、今度は反対の左手の人差し指、中指、薬指を4本の間に入れて、藁を押さえます。そして、右手の親指でしっかりとおさえて、これをくりかえします。(文章で書いていると分かりにくいと思います。口で説明した方が早いです。)
木製の定規でつま先の部分の幅より2cmほど超えたところでくじらかぎで下に絞めていきます。そのときのコツは真ん中を絞めてから左右を順に絞めていきます。下の方から順番に絞めていくと均等に締まっていきます。もう一度、木製の定規でわらじの長さが規格通りの長さになっているか確認します。確認できたら、和紙の貼っている藁縄を入れます。右側から藁を2つにわけて交互に編んで、和紙の部分を写真のようにぐるっとつま先に沿うように巻いて編みます。もう1本の和紙のついた藁縄を同じように左からぐるっとまわして入れます。


上の藁縄をぐるっと下にまわして1周させます。このときにこの結びが、わらじの裏の方にくると履いたときに地面でこすれて切れやすくなるため、表面の方に寄せておきます。絞めるコツは左の人差し指、中指、薬指を1つ右にずらして、人差し指と中指の間に和紙の藁縄もはさみこんで下に引っ張るときつく絞めることができます。



一度、指かくじらかぎで写真のようにわらじを絞めておきます。
普通の藁にもどりますが、ここで注意することは幅がせまくなっていないか確認します。普段は半分重ねていますが、和紙の藁縄の次の最初の一回りは完全に重ねるとうまくいきます。そのあとはいつも通り半分重ねて編んでいきます。














かかと近くの乳の付け方は和紙の藁縄で編んで乳の部分を指1本が入るぐらいの輪をつけて編んでいきます。左右同じぐらいの輪をつけたら、下にくるっとまわしてしめます。通常のわらじの乳の付け方と同じです。乳がつけ終わったら最後のかかとにくる部分を測ってマジックで印をつけると分かりやすいです。一度、内側の藁縄2本を引っ張って、動くことを確認します。かかとの最後まできたら、4本の藁縄のうち外側の2本に和紙を貼ります。それが写真の状態です。









わらじをはずして、写真のように反対向きにして4本のうち内側の縄の引っ張って和紙の部分まで引っ張ります。両方ともできたら、もう一度反対側にします。













最後にくじらかぎを使ってしっかりとわらじを絞めます。











 和紙のついた藁縄を間に入れます。それから2つの輪を輪の中に輪を通して、しっかりと引っ張ります。和紙の藁縄を上に回して、上になっている輪の方に向かって藁を写真のように巻きます。

そして、黒い紐のついた道具をまいている和紙の藁縄にまかれるように5回巻きます。和紙の藁縄を黒の紐の輪の中に入れて、黒い紐を下から思いっきり引くと中に引っ張り込まれます。縄がななめに引かれるように引っ張るときれいになります。








できあがりがこんな感じです。













履くとこんな感じになります。くるぶしのところがしっかりと固定されていればOK
です。
このわらじは先生方から頂いたわらじです。どれも秀逸な作品ばかりで履くのがもったいなく感じるものです。自分で編んだものよりも固くて丈夫でした。















 ○このわらじの材料について
①藁
藁は青い稲を手で刈り取り、ハウスの中で陰干しして乾燥させるという手の込んだ藁です。
まさにわらじをつくるための藁と言っていいでしょう。機械で一気に乾燥させると油分が飛んでしまってよくないそうです。

② 藁縄
藁縄は中心に麻の紐を1本入れているため、通常より強度があります。芯がないとすぐにきれてしまうとのことで入れているそうです。機械で編んでいますが、藁を編む機械も日本では現在、どこにも作られていないそうです。壊れたら終わりとのことです。

③和紙の貼った藁縄
和紙の貼った藁縄は見栄えがいいからとのことで特になくてもいいとのことです。和紙は半紙のようなもので結構高価なものだそうです。

○ろう布について
ろう布の作り方はろうをとかして鍋の中に柔道着のようなごつい布を入れて乾かせば出来上がりです。